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体罰禁止、問われるしつけ 虐待から子どもを救うために

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Q 子どもの虐待を防ぐ法律が厳しくなったの?

 A 児童福祉法や児童虐待防止法などが改正され、来年4月から施行される。東京都目黒区で5歳の女の子、千葉県野田市で10歳の女の子が死亡した事件で、親は虐待をした理由に「しつけ」を挙げた。そこで、「体罰を禁止する」とはっきり法律に書いたことがポイントの一つだ。

 Q 一歩前進だね。

A 一方で民法は、親が子どもを「監護及び教育に必要な範囲内で懲戒できる」と定めている。「懲戒権」と呼ばれるものだけど、どんな行為なら認められるのかがはっきりせず、「体罰につながる」という意見もある。だから今回の法改正では、施行後2年をめどに懲戒権のあり方を検討するとした。そのための議論も、20日から法制審議会で始まるよ。

 Q ほかには、どんな点が変わったのかな。

ログイン前の続き A 児童相談所が担う「介入」と「支援」の役割をはっきり分けた。これまでは同じ職員が、虐待が疑われる家庭への立ち入り調査や子どもの一時保護をする一方で、保護者を支えることもしていた。親との関係が悪くなることを気にして、ためらうことがないようにするためだよ。

 Q 子どもの安全を守ることが第一だからね。

 A 必要な専門家の手も借りやすくする。全ての児相に医師と保健師を置き、常に弁護士の助言や指導を受けられる体制も整える。

 Q 虐待による悲しい事件がなくなりますように。

 A 児相が2017年度に対応した数は13万3千件を超え、虐待は増え続けている。現場の人手不足は深刻で、虐待の連絡を受けてから48時間以内に安全を確認するルールも守られていない。国は児童福祉司を増やそうとしているけれど、虐待リスクを見極める力も大切だ。改正後も質・量の両面の充実に取り組む必要があるね。(浜田知宏)

〈視点〉社会の本気度が試される

 今回の児童福祉法等の改正は、昨年から続く虐待事件で命を落とした東京都目黒区の結愛ちゃん(当時5)、千葉県野田市の心愛さん(当時10)らの悲痛な声に背中を押される形で政府や国会が動いた結果だ。

 改正法に保護者による体罰を禁止する条文が入ったことは、社会の基本理念を示したという意味で前進だ。また、児童相談所の体制強化なども盛り込まれ、一定の進歩はあった。

 だが、課題は山積している。中核市への児相設置の義務化や児相への弁護士の常勤配置、虐待事案に対応する児童福祉司の資格の見直しなどは、いずれも見送られた。児相の努力義務とされた保護者への再発防止プログラムの実施も、実効性を持たせるためには欧米のように司法が命令を出すシステムの構築が必要だ。

 民法には、親が子を戒める「懲戒権」の規定が残ったままだ。「しつけ」の名目で虐待が行われることがないよう、啓発活動に官民が力を注ぐと同時に、「懲戒権」の削除を真剣に考えなくてはならない。

 抜本的な改革は、国や自治体がどれだけの予算や人を、子どもの命と心を守るために向けることができるかにかかっている。社会の本気度が試されている。(編集委員・大久保真紀

ちいさな命を守るために、、、

https://www.asahi.com/special/matome/gyakutai/?iref=kijishita_bnr


アサデジより転写

by tomoyoshikatsu | 2019-06-25 00:08 | 呟き と 嘆き