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「 死に支度 」& 「 もし 母を殺したら 」 鳥居 りんこ

1・2 を 先に!



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 ケアマネジャー( ケアマネ )の友だちがたくさんいます。びっくりしたんですが、その介護のプロたちが異口同音に「 75歳で死にたい 」と言うのです。

 これは現在の日本の健康寿命の数値を意識してのことで、介護のプロたちは日常的に医療・介護に依存しない年齢の境が「 75歳である 」と実感しているのでしょう。2010( 平成22 )年のデータによると、男性の平均寿命は79・55歳、健康寿命が70・42歳、女性の平均寿命は86・30歳、健康寿命が73・62歳となっています

 どんな状態であろうとも「 長寿 」にだけ向けられていた意識が、介護の現場から「 健康であってこそ 」という具合に風向きが変わってきていることは大変喜ばしいことだと思います。

 いま現在、介護状態に置かれている高齢の方々には難しいかもしれませんが、ケアラー世代の私たちは「 死に支度 」を意識していくべきだと感じます。

 そこで、私は最近、断捨離を始めました。捨てられなかった衣類、いつか必要になるかもという思いで積み重なる書籍類、いつのまにかたまってしまった食器類、半世紀分のアルバム……。物から始めて、ついでに手を広げ過ぎていた人間関係も着手できたらいいなぁと思っています。物も人間関係も量ではなく、自分自身の居心地の良さを優先したいなぁと考えています。

 成人した2人のわが子には、大学を出たとき、こう言い渡しました。

 「 これからいろいろなことで傷つくだろうけれど、その一つひとつが経験になるし、修復できない傷などない。どうしても傷ついて身動きできなくなったときは、実家があることを思い出せ。それ以外はなるべく母から離れなさい 」

 私はいま、モンスターのような母にのみ込まれそうで、ものすごく苦しい。子どもに同じ思いをさせたくないんです。

 こうして自分のことを深く考えるようになったのは、母との関係があったからです。父を自宅でみとり、母が要介護の状態になってから、終末というものを意識し始めました。

 介護は、家庭だけでするものではありません。社会全体で支えていかないと、親殺しが頻繁に起きてしまうし、このままでいくと健康保険制度もつぶれるでしょう。

 母はいま健康保険(後期高齢者医療制度)で、マッサージを1回30分400円で受けています。1割だけの負担なのに、「 高い 」「 治らない 」と文句を言っていますが。でも、ここは変えていくべきです。必要以上の医療は全額自己負担にした方が良いと思います。

 母の難病はいま、進行が止まっています。以前はどんどん進んでいたのに、20種近く飲んでいた薬を半分に減らしたら病状の悪化が止まりました。

 私には想定外です。母の患っている難病は、定説によると発病5年で寝たきりになり、7年で死に至るというものだったからです。よく調べると、寝たきり20年超という方も結構おられるようです。それを考えると、私には親の長生きは金銭的にも手間ひま的にも恐怖以外の何物でもありません。施設に入っていても、母は常に私の頭の上に乗っかっているんです。午前2時ぐらいに「 転んで救急車で運ばれたからすぐ来てください 」と電話がかかってくることもあります。今日も嚥下がおかしいと、緊急で施設に呼ばれました。

 母が全力で娘にのしかかってくる。そんな母に向かって「 邪魔なんだよ 」とは言えない、最後の儒教世代が私たちです。結婚して子どもを産み育てるのが幸せ、とすり込まれてきた40代以上の世代の特徴だと思います。

 母を怒鳴りつけて「 邪魔なんだよ 」と言えるかもしれないけれど、言った後に「 そんなことを母に言って楽しい ? 」と自分に問いかけてしまう。そして「 いやいや楽しくない 」と感じる。この母を足かせに思う自分と、孝行できない罪悪感がすごい葛藤になるんです。

 いま介護をしている友人たちは、異口同音に「母が重い」と言います。母親の介護をしている友人の一人が話してくれました。

 「 帰ろうとすると、母がなんとか娘の帰りを引き延ばそうと画策し始める。やっとのことで振りほどき、『 じゃあ 』と玄関を閉めた瞬間に『ああ、これで何時間かは母の顔を見なくて済む』と思う。その開放感がいまの生活で一番うれしい 」と。

 その気持ち、私もよくわかります。

 自宅で家族にみとられるのが幸せだと国は言いますが、自宅にいても亡くなるときに家族がみているとは限らないし、自宅にいても幸せとは限らない。長期にわたって延命だけに心血を注ぎ、大切だったはずの家族を葛藤の渦の中に追い込むくらいなら、私はむしろ何もしない孤独死を選びたい。2日ぐらい連絡が取れなくなって、「 どうした、あの女? 」と見に来た人に発見されるのが一番幸せなのでは、と私は思います。

more へ 続く





 母はいま要介護3です。国が指定する難病ではありますが内臓は健康で、認知症の症状が出ています。介助すれば立てますが、自力歩行は難しい状態です。

 体の機能は年相応に落ちてきています。視力も同様で「 眼鏡を替えたい 」「 眼科に行きたい 」とよく言います( もちろん、他の診療も頻繁に受けたがります )。受診すれば良くなる、医者にかかれば「 治してもらえる! 」という強烈な「 医者信仰 」があるように感じられます。

 でも、眼科の待ち時間は4時間以上。私はすべてのスケジュールを調整して付き添わなければなりません。そして毎回、眼科医に「 年相応ですよ 」と言われて3分ほどで診察は終了します。実は、私より母の方が視力はいいんです。

 母はこれから、ますますいろいろなところが痛くなり、自由に動けなくて不平不満が募っていくでしょう。そんな母の人生に責任を持ち、それにプラスして母の生活に楽しみのエッセンスを加えていくことを、私がやらなければなりません。

 母は全面的に私に頼っていて、私は母を抱えていかなければならない。母の人生は、私のさじ加減ひとつ、という恐ろしさを感じます。母が残りの人生を幸せだったと思うか、つらかったと思って去っていくかは、私次第なんです。その責任を、子育て以上に感じます。

 「 介護は精神的に参る 」と言った私に、あるサイエンスライターがこう言いました。

 「 当たり前じゃない? そもそも生物の本能の中に『 親の介護 』は入っていない。子どもが巣立つまで子育てに責任を持つのは哺乳類の務めだけど、親の世話は生物のDNAにはない。DNAにないものを『 理性 』の力だけでやろうとするのだから、きつくて当然 」

 介護は、3年が限度だと思います。3年を超えると、育てていただいた親に対する感謝の気持ちよりも、自分の人生を限りなく束縛されてしまう恨みがましい気持ちの方が大きくなるのではないでしょうか。

 私は6年間、実家へ母の介護に通い、その後、キーパーソンとして4年、自宅から車で30分の有料老人ホームに通っています。病院通いもそうですが、母の暮らしに必要なあらゆる手間、そして一番大変な「 お話し相手 」としての任務遂行があるのです。

 母の介護は、10年めに突入します。同居して介護をしている方から見れば「 何を甘えたことを 」だとは承知していますが、私の「 拘束感 」は年を追うごとに増している気がします。

 自宅で実母の介護をしているある友人は、「 最期まで母のめんどうをみよう 」と決めていて、まもなく2回目の秋を迎えます。

 仕事が終わって家に帰ると、床のあちこちが大便まみれになっていることがよくあるそうです。母親には「 仕事を辞めて私の世話をすればいいんだ 」と言われ、きょうだいからは「 嫌なら老人ホームに入れればいい 」と言われるとか。

 仕事をしないと生きていけず、さりとて老人ホームの費用もない。

 母親は、娘がみるのが当然という態度。きょうだいは費用負担の話すら避け続けているようです。

 そんな友人が、あるとき、私に言いました。

 「 もし私が母を殺しちゃったら、まずりんこに電話をするから、警察を呼ぶ前に、うちに来てね 」

 この言葉を聞いて、私は泣きました。

 こういうギリギリの状態で介護をされている方々がこの国にはたくさんおられるのでしょう。私は、何をどう改善すれば、介護をされる側もする側も「 笑顔 」が増えるのかを考え、声に出していこうと思っています。

 介護は、どう死ぬか、ということを自分に突きつけるものです。私も父と母の介護をしていなかったら、ひとごとだと思っていたでしょう。いつまでも若いつもりでいて、何も準備をしなかったかも。私はせめて、娘にはこういう思いを継承させたくありません。自分のケツの拭けるところは自分で拭く、ということを考えて、それを啓蒙するために、私は文章を書いて勝負していかなければ、と改めて思います。

     ◇

 鳥居りんこさん(とりい・りんこ) 1962年生まれ。エッセイスト、教育・子育てアドバイザー、受験カウンセラー。2003年、長男の中学受験体験をつづった初の著書「偏差値30からの中学受験合格記」(学研)がベストセラーに。「偏差値30からの中学受験シリーズ」は計6タイトル出版された。執筆・講演活動を通じ、育児や受験、就活に悩む母親たちを応援。最近は親の介護問題についても実体験をもとに発信し、昨年「 鳥居りんこの親の介護は知らなきゃバカ見ることだらけ 」( ダイヤモンド社 )を出した。近著は、今夏出版の「 中学受験 わが子を合格させる父親道 」(同)。ブログは「 湘南オバちゃんクラブ 」(http://to-rinko-houmonki.blogspot.jp/別ウインドウで開きます)。


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わたしは ………

生後間もなく 右脚を骨折したんですよ、、、59年前に ………… !!!

【 田舎 】の さらに 《 山奥 》、、、、、、、で 産声をあげました ………………

お袋は 52歳( 私が 28歳のとき )で この世を去りました!( 親父は その 3年後! )

私は【 介護 】を したことが無い ……… !障がい者施設で 高等部卒業迄 過ごしましたから …………………… 両親と過ごしたのは僅かな《 じかん 》なんです …………………………… !

( 昨夜 28日 )呑みに出たら 、、、高齢の「 御婦人 」と 話をしました …その方は お袋と同じ歳でした …………………

母はもとより 父も 生きていれば …… 『 当然 』何らかの 《 介助 》……… 【 介護 】を必要としている事でしょう ………

母は 87歳!父は 92歳!になってますから ……………………

自分の「 老後 」を ………… どう 思いますか ???

老老介護? 子供夫婦に頼る?施設入所?…………… ?????

私は「 独りもん 」ですから …………… ( 弟!妹!が 居てますが 、、、ソレは「 別 」と想ってます )此の先 …………

ですからね〜 〈 ポックリ 〉逝けたら ………と 思う事が多々あります 、、、、、

認知症を患い …… 何をされたのか?理解できない ………… ?

徘徊を繰り返し( 本人には 認識ありませんからね! )問題行動を繰り返す …… から!ベッドに縛り付けられる ………………

一日中 オムツをつけたまま、、、天井を見て過ごす ……… イヤだなぁ〜 と、私は 考えてます …………………

かといって 自分で「 タツ 」コトはしませんけどね ……………………!!!


by tomoyoshikatsu | 2016-09-30 03:39 | 福祉