物理学者のスティーブン・ホーキング博士は5月31日、イギリスのテレビ局ITVの番組「 グッド・モーニング・ブリテン 」に出演し、アメリカ大統領選の共和党候補指名が確実になった実業家のドナルド・トランプ氏とその支持者を痛烈に批判した。
著名な物理学者、宇宙学者であるホーキング氏は、ブラックホールの仕組み、量子力学、相対性理論の説明をすることはできる。
しかし、そのホーキング氏をもってしても、ドナルド・トランプ氏の魅力だけは理解できないようだ。
ホーキング氏はインタビューで、トランプ氏を「 最も低レベルの層の大衆に受けているように見える扇動政治家 」と呼び、どうして人気なのかは全く説明できないと話した。
不動産王であるトランプ氏のアピールは、著名な選挙評論家たちも困惑させてきた。
しかしトランプ氏は、指名獲得に必要な代議員数を獲得し、共和党の指名が確実になっている。
トランプ氏とその支持者を手厳しく批判した著名な科学者は、ホーキング氏が初めてではない。
4月には科学者で教育番組司会者のビル・ナイ氏が、地球温暖化が進み人類がその主な原因になっていることは、
世界で指導的な立場にある科学者たちによって合意が取れているのに、それでも気候変動を否定する共和党陣営を批判した。
ナイ氏はCNNの番組で次のように語った。
「 気候変動を否定している人たちのスタンスも、まだ定まっていないですね。もし私のことが信用できないのなら、今世界で最も影響力のある国の選挙に出馬している、気候変動を否定する3人の人物を見てください 」と、
ドナルド・トランプ氏のほか、選挙戦から撤退したテッド・クルーズ上院議員、そしてオハイオ州のジョン・ケーシック知事の名前を上げた。
ホーキン博士はまた、国民投票を間近に控えたイギリスのEU離脱の問題についても語った。
ホーキング氏は経済的利益、また学生がEUの中の全ての大学に通えるようになるなどの点を指摘しながら、イギリスはEUに留まるべきだと話した。
「 世界を相手に、イギリスが一人で戦えた時代はもう遠い昔のことです。イギリスはもっと大きな国の集まりの一部になる必要があります。安全面、貿易面の両方においてその方がメリットがあるのです 」